麻のジャケットの計算しつくされたシワとジーンズ

最近は夏になると、麻の素材のジャケットを紳士服売り場でも見かけるようになりました。欧米に比べるとまだまだ浸透しているとは言えませんが、それでも次第に増えてきています。夏のイタリアを旅行したことのある人なら誰でも気がつくことですが、列車や飛行機の中では男女を問わず半分程度の人が麻の衣服を着ています。

麻は非常に古くから人間の生活に密着してきた素材です。6000年ほど前、エジプトの新石器時代のミイラにも麻布は使われていました。細かく分類すると50から60種類ありますが、大きくは3種に分けられます。亜麻(あま)、苧麻(ちょま:ラミー)、大麻(ヘンプ)です。亜麻は高級衣服やシャツに使われ、苧麻はハンカチやテーブルクロスなどに、大麻は紐やロープに使われます。ミイラに使われていたのは亜麻です。そんな伝統的な素材をジーンズに合わせて着こなしてみましょう。

シワが風合いとなる麻のジャケット

歴史的な経緯もあって、欧米では麻といえば「リネン」で、日本ではラミーを指すことが多いです。イタリア人が理念を巧みに着こなしているのは、リネンの特質をよく知っているから。特質というのは、麻ならではの「シワ」の美しさ。製造過程でシワに対する半永久的な抵抗力をつけてあるので、霧吹きなどをふきかけて引っ張れば、比較的復元しやすくなっています。シワがあった方が美しく見えるため、シワの風合いを保てるようにしてあるのです。

日本では、麻(リネン)といえば、真夏の素材と考えられがちです。しかし、ヨーロッパ、特にイタリアでは、春から9月いっぱいまでは着られます。素材の種類も豊富なため、メーカーもシーズンに合わせて少しずつ異なる服地を作っており、実に息の長い素材となっています。

リネンをたくみに着こなすためのコツとは?

リネンを着こなすには3つのコツがあります。ひとつは、そればかりを着続けること。次第に素材が自分の体のプロポーションを覚えて、フィットするようになります。羊毛などの動物性素材とは異なり、初めのうちはある程度の硬さがあります。身体と素材との間にすき間が出来てしまいますが、それをなくすには、何度も着ることがたいせつです。水洗いをして柔軟性をつけてあげれば、良い着心地になります。

2つ目は、シワを恐れず着ることです。シワがつくのは大きな特徴。風合いを着るという意識がなければなりません。シワは着こなせば着こなすほど、美しい小じわに変化します。太くて直線的なシワは、素材がまだ柔軟性を帯びるほどに着こなされていないから。やわらかくなるまでしっかり着ることが大切です。3つ目はリネンのシャツを合わせること。リネンのジャケットに一番マッチするのはリネンのシャツなのです。リネン+リネンは麻の基本です。

麻のジャケットはジーンズにもとてもよくマッチします。ただし、しっかりと体になじませることが大切です。何度も着こんで、ジーンズに合う柔らかさを覚えさせましょう。

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